人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ひとりの夜の、出張フード

あなたなら、どうしますか。

あなたは、出張先のビジネスホテルに居ます。
時刻は22時半。
お腹が空いてきて、こりゃ何か食べたいぞ、というとき。
予算は1500円。
出張先なので、親しい友人はおらず、一人という設定です。

色々なパターンを考えることができるが、例を挙げすぎると、
何がなんだかわからなくなって頭の中がエライヤッチャエライヤッチャヨイヨイヨイヨイ
になるので、以下4つに分類する。
どれが一番、ひとり出張フードに向いているのか考察してみよう。


1.牛丼やマクドナルド、ラーメン店などで手軽に済ます
2.居酒屋でビールとつまみ
3.コンビニで弁当をティンしてもらってホテルで食べる
4.ホテル内の飲食店を利用する


予算も少ないし、アルコールに弱いので2番はダメだし、
3番のコンビニ弁当は、いつもカップ味噌汁を一緒に買うのだが、
ぼくが持つバランスが悪いのか、5割くらいの打率で味噌汁がレジ袋の中でバーニングしてしまい、
弁当のゴハンがシャピシャピに壊滅してしまうので、出張先ではなるべく買わないようにしている。

残るは4番だが、ビジネスホテルでの食事は往々にして値と中身が釣り合わない。
予算は1500円。おそらくカレーかサンドウイッチしか選べない。
さらに、22時半といえば、ビジネスホテルのレストランは閉まっているであろう時間だ。
いざ勇気を振り絞って入店したらば、「終わったんですよ~」と言われ、
店内に残っていた数名のサラリー君から冷っこい目線を送られることになる。
運良くまだ開店していて、中に突撃できたとしても、
ホテルメンやシェフの視線、「あいつ一人で単品カレー食ってやがんのビーム」
を食らわされるような気がし、ぼくの右足も左足もホテルのレストランに進路をとりたがらないのである。

消去法にすぎないが、ぼくが選ぶなら、やはりファストフード関連になってしまう。
ただ、ラーメンはいいとして、牛丼店とマクダーナル(英語発音)は、地方性が無い。
せっかくの出張先に来たからには、その土地の印象深いものが食べたくはないか。

翌朝、取引先の担当と会っても、

「やあ、小唄くん。昨日は何を食べたんだい?」
「いや、あの、牛丼を。。。」
「あ~、なるほど。(曖昧な相槌)そうか。」
「そうなんです~」

話が発展しないし、何よりこれでは、会話の与える印象が非常に、薄い。
稲垣潤一氏の「クリスマスキャロルの頃には」のAメロぐらい、薄い。
せっかく出張までして相手先に出向いてるのだから、せめて強い印象を持たせたい。
ならばファストフードでも、地域性のあるものをチョイスするのがいいだろう。
そうなると、これはもう、ラーメンを選ぶほかないわけです。

「やあ、小唄くん。昨日は何を食べたんだい?また牛丼かね?」
「昨日は松平軒のラーメンを食べたんです」
「おおー、あそこのウリ坊でとったスープは獣臭くて通好みだからねぇ」
「ええ、とてもおいしゅうございました」
「チミは味がわかるねえ、どうだい、今夜メシでも」
「是非に!」

という話になって、商談は成立し、ゴハンもごちそうしてもらい、
その後さらに、ピンクなお店にも連れてってもらい、無事にアレをし、
湯あがりホクホク顔で帰りののぞみに乗り込むことができるのだ。
# by 3m14s | 2007-02-27 01:31 | エッセイ練習帖

はい、おっかさん。

タイトルの意味がわかる人は、結構いいトシですね。

ところで、母親という生き物は、なぜこうも滑稽なのか。
トーク番組などで、ネタに困った時、ここぞというとき、
芸人はかなりの高確率で、母親の話をする。
笑いのプロフェッショナルである芸人が、自らの話ではなく、
母親の話をするほうが笑いが取れる、ということを如実に物語っているのだ。
と、いうことで今回は、我が家のオカンエピソードを紹介しようと思う。

はっはーん、さては最近ブログをさぼってたから、
面白い記事を書けるか不安なんでしょ?
だ~から、確実なオカンネタを書こうってわけネ。
などとお思いのモニタ前のアナタ。実にそのとおりだから黙っていなさい。



■小唄のオカン 脊索動物門哺乳綱サル目ヒト科 女 
背、153センチ。体重不肖。石川県出身。AB型。
岸本加世子氏似。
夫と、子を3人持つ。
職業:魚介類販売業
趣味:社交ダンス
食用:向かない
毒:色々な意味で注意




■群れをなさず、単独で行動することが多く、カラオケにも単独で赴く。
小唄(以下小):一人って、カラオケ屋の店員にヘンに思われへん?
オカン(以下オ):「音痴やけど、聴かれてるわけちゃうしな」

…質問と答えが合致していないではないか。



■高速道路を運転中に、ギアをバックに入れたことがある。(MT車)
ガリガリッ(シフトギアの悲鳴)
小:あー!オカン、危ないって!
オ:あれ、もう一個ウエがあるかと思って…

ウエ、て。



■ひどい風邪を患った際、マスクに「こえがでません すいません」(以上、すべてひらがな)
と油性マジックで書いて接客をしていた。

小:そんなん恥ずかしいやん、笑われるで。
オ:●×◇※★◎§■∽(声が出ない)

小唄父登場:このほうがええやん。

父よ。オカンの味方すな。



■ドラマ「ソムリエ」を見てワインをはじめ、映画「shall we dance?」を観てダンスをはじめた。

小:なあ、大会出てみいや。
オ:え、そんな気、全然無いで。
小:ほな何のためにダンスやってんの?
オ:大会に出るためかなぁ。

え? え? 禅問答?



本当によくわからない人なのである。
かといって笑いが絶えない食卓かといえば、そうではなく、
しごく普通なのだ。
まあこのくらいがシヤワセなのかも知れない。

おっとオカンが大声でぼくを呼んでいる。
何の騒ぎであろうか。





「ちょっとー!セルが!セルすごいよ!」






TV画面には、セロが居た。
# by 3m14s | 2007-02-27 01:04 | エッセイ練習帖

ゆかいな仲間たちのリンク、更新。

一年ぶりくらいに、仲間がふえました。
よろしくおねがいします。

■ぼくもときおり登場いたしております。心優しき投稿型コラムサイト。必見です。
おとなのコラム

■幼少からの朋友、和サイケデリコ氏のナイスなページ。
繰り返しの終着点

■DJであり旅人でありイベンターであり友人であるヤマモト氏のページ。
YAMAMOTO weblog

■リラクゼーション業界の申し子、渚氏のページ。前衛的な文章に注目。
世界が消えるその日まで

■真夏の孤島での運命的な出会いからはやウン年。hiro氏率いる雑食rockユニット。
暴動Dance Party

■イベント業界を所狭しと駆け回る敏腕ディレクターs-ymgc氏の競馬錬金術が開帳中。
競馬で一攫千金!

■ライターの卵の集いで出会い、今も交流が続くのはこの方ただ一人。BBSでは名言多し。
翼輝の百花繚乱
# by 3m14s | 2007-01-17 18:26 | リンク

きらきらひかる

今年も大晦日が迫ってきましたね。
毎年、暮れになると放送されるハムのコマーシャルがある。
シズル感たっぷり、ジューシィに焼き上げられるハムをみて、

「も、もう我慢できないんだ。なあ、いいだろ?ちょっとだけ…な?す、すっ、スグ終わるからッ」
と、暴発寸前の男子高校生の如く、ぼくはハムに欲情してしまったのだった。

実家の冷蔵庫より、お正月用のハムを拝借し、家業が魚屋のクセに、
購入以来10ウン年、全く研がれることの無い自家食卓用の包丁で切る。
刃が悪いので、どうしてもギコギコと前後に包丁を動かすことになる。
ハムは、2、3度ほど苦悶や戸惑いの表情を見せたが、ついに観念したのか、
刃先に身を委ねた。

まずプチっとした皮の感触が刃を通して伝わり、その次に、
「透明なゼリー状の、コリコリとした食感の、よくわからないがアブラ身のような部分」の、
幾分ゴリゴリした手ごたえがあり、その後にご本尊、ハム正肉部分のミチッ、とした
感触を我が手首に感じ取りながら、包丁を操り、ハムを2センチ厚にカットする。

バター、塩、コショウでソテーして、「ヤマザキ春のパン祭り」にて当選した、
白いお皿に盛り付ける。
いつもはサラダの中に薄っぺらく、不安そうに周りを伺いながら佇んでいたハム君も、
厚く切られてソテーされ、とびきりの器に盛られれば、立派なゴチソウである。

こう、田舎暮らしが長かった中学時代、親の突然の転勤により東京に引っ越してきて、
新しいクラスでつけられたあだ名が「疎開ボーヤ」だったアイツが、
今はこうして大手銀行(もちろん東京本社)に内定を勝ち取り、ネクタイをしめて、
折り目正しく新人研修に馳せ参じたような変わり身具合である。

そんな新社会人ハム君を容赦なく上の歯と下の歯で噛み切る。
一口め、二口めは順調に正肉の部分を食べたが、三口めくらいで、
どうしても例の「コリコリアブラ身」をまたいで噛んでしまう。
非常に不愉快だ。
あの部分を噛むと、せっかくの肉の食感がおおいに損なわれてしまうからだ。

ハムのフチあたりの、コリコリしたアブラ身。アレは一体なんなのか。
おいしくないし、食感も良くないし、栄養だって無いに決まっている。
現在の技術をもってすれば、あんなの簡単に除去できるはずだ。
今や、骨無しの魚だって開発されているくらいなんだから。
それに比べ、ハム業界はどうなっとるんだ。えぇ?
責任者出て来なさい。(出て来い!とは、ビビってよう言わない)

いや、あのコリコリをほかに利用する術が無いから、仕方なく混ぜ込んでいるのかもしれない。
それならば、キラキラしてるから、宝石業界に売り込んではいかがか。
さっき、気になるからルーペで見てみたら、思いのほか半透明で美しかったのだ。
いくつものコンタクトレンズを連結したような造形に、半透明でいくつかのスジが入り、
ところどころに乱反射をしてプリズムのように煌いている。
もしくは、万華鏡なんかに入れても良いかもしれない。ハムゲ鏡の完成である。

とにかく、あのコリコリ半透明アブラ身は、良くない!と断言するのであります。

「あのイヤ~な、コリコリ部分を無くしました!100パーセント肉!ミート感たっぷりハム!」
なんてCMが流れる時代になればいいな、と願います。
# by 3m14s | 2006-12-27 01:30 | エッセイ練習帖

こってりんこ 好きりんこ つづき

しばらくしたのち、ラーメンがおいでになった。
中央に辛そうなタレがあり、その左右にネギとチャーシューというポジショニング。
若干多彩さに欠ける具のラインナップだが、それもこだわりのうちなのだろう。


早速、箸を立ててみる。


…立たない。



何故だ。

こんなとき、かの彦摩呂氏なら、


「これはまさしく~、

博多ラーメンのEDや~!」



なんて言ってごまかすのだろうか。
んなこたない。
真剣な面持ちでずっと箸をドンブリに突き立てていたら、
のれんからチラリと店員がこちらを覗いてきた。
いよいよ不審者とみなされて退店処分になっても恥ずかしいので、
しょうもないことを考えずに、食べ進むこととする。

濃厚なスープ、というのはドロドロしているというのではなく、
表面に浮いている脂の層が厚い、ということのようだ。
ぼくが聞いたのは違う店の情報だったのかもしれない。

慎重にやれば、スープ表面の透明な脂だけレンゲに引き込むこともできる。
純脂100パーセントを少しだけ飲んだが、ぜったい真似はするな、とだけ言っておこう。

味自体はアブラ濃い目のちょい辛博多ラーメン、おいしい。といったところだろうか。
麺の量が適度に少なく、濃いめの味に辟易する前に食べ終わるので、
飲みあがりには最適だと思う。実際ベロ酔いの客は多かった。

ただ、気になるのは隣人との間仕切り(木製)、だ。
これに、めちゃくちゃ落書きが多い。




「魔子」



「コメー!」



「牛太郎ド変態」




なんなのだ、このバラエティに富んだ意味不明の言葉たちは。


この間仕切りは味集中カウンター、と呼ばれ、
特許もとっている、カッキテキなシステムなのだが、
この落書きの実態、である。



…全く味に集中してないやん。



間仕切りに記された落書きたちに目を通すのも、
当該店の愉しみ方のひとつなのかもしれない。
ホラ、ダヴィンチコードみたいに、考えながら解読したりさ、
って、少々無理があるフォローかしら。

おわり
# by 3m14s | 2006-10-06 01:27 | エッセイ練習帖